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デジタルデータとは
デジタルとは、情報工学上の理論では「状態を示す量を数値化して処理を行う方式」という、アナログと同様に素人では理解し難い定義がなされています。
しかし、アナログについて理解していれば、デジタルの理解は容易です。
前項と同様、デジタルをデジタル時計に例えると、デジタル時計は時刻を数値で表現するのですから、単純に、
アナログを数値に置き換えて表現する
と理解すればよいのです。
数値に置き換えるということを深く考えると「どうやって?」といった疑問が生じると思いますが、次項で解説しますので、現段階ではあまり深く考えないでください。
では、「データ」になるとどのように理解できるでしょうか?
私たちの身の回りにある「デジタルデータ」を取り扱う製品やサービスには、
パソコン、スマートフォン、CD、DVD、デジカメ、デジタル放送
などがあります。
デジタルとは、アナログを数値に置き換えて表現するものとすれば、デジタルデータとは数値を記録したものになります。
アナログデータは「音や映像そのものを記録したもの」でした。そうするとデジタルデータは、実際の音や映像そのものではない数値を記録したもの、「情報の記録」ということができます。
したがって、ここでも多少定義とは異なるかもしれませんが、デジタルデータを、
音や映像の情報を記録したもの
と解釈すれば、より理解しやすいと思います。
情報とは「数値化する」ということです。数値は音や映像そのものではありません。その数値は実際の音や映像、それらと関連付けられた(置き換えられた)情報なのです。
例えば、音楽CDのデジタルデータなら、
このタイミング(ある時点での)の音
を数値に置き換えて記録した「情報」であり、デジカメの画像や映像のデジタルデータなら、
この位置(この時点での)の色
を数値に置き換えて記録した「情報」です。(音声、画像、動画について詳しくは、「その他の基礎知識編」 で学習します)
もう少し詳しくいうと、音声データの場合、アナログは空気の振動である「音声波形」であり、デジタル化はその「波」を非常に短い間隔(1秒間に何回も)で測定し、その時点で波の高さを数値として置き換えていきます。
したがって、デジタルデータとは数値のみで成り立っているということもできます。
こうしてデジタル化されたアナログデータは、音声データの場合は、再生するときにまたアナログに戻して再生されます。
どうして手間がかかることをするのかというと、アナログのまま保存しておくよりもデジタル化(数値化)して保存しておくほうがメリットが大きいからです。
メリットは数多くあります。まず第1に、
コンピュータ(パソコン)で容易に処理することができる
ということです。
なぜなら中身が数値であるので、コンピュータの得意分野であることは言うまでもありません。コンピュータで処理できるということは、編集や加工が容易であるということです。
また、インターネットのようなネットワークで利用できるということでもあり、
通信することが容易である
こともあげられます。数値をやり取りするだけでよいからです。
現在では、あらゆる家電製品にコンピュータが内臓されているので、デジタル化によってそれらをネットワーク化したり、様々な新機能やサービスが生まれています。
そして第2に、
時間の経過やコピーに関係なく劣化しない
という、アナログデータの欠点を補う大きな特徴があります。
当然、データの中身が数値だからに他なりません。数値をコピーしても劣化するはずがないからです。(厳密には劣化が全くないわけではありません)
その他にも、機器の性能に依存するアナログデータと比べて、デジタルデータはコストが安いというメリットもあります。数値を処理できればよいので、大雑把に言うと「計算機」があれば処理できるからです。
では、デメリットは何でしょうか?
デメリットはない、と言いたいところですが、デメリットも当然あります。それは、実際の音や映像を保存しているわけではなく、数値に置き換えているので、
誤差(原音や撮影する風景等との誤差)が生じる
ということです。
前項でも学習のとおり、出始めの音楽CDやデジカメ写真には、本格志向の人は見向きもしませんでした。
誤差を小さくすればするほどデータ量が増大し処理時間がかかる
ためです。1秒間の測定間隔が小さくなれば高音質、高画質になりますが、データ量が増えるのは当然です。
したがって、デジタルといえども機器の性能に依存してしまう点は変わりません。技術の進歩により、高性能の機器が誕生することによってデジタルは本物に近づいているのです。
例えば、ブルーレイディスクは従来のDVDの約5倍のデータ量です。だからこそ超高画質を実現できていますが、それをスムーズに処理して再生できる機器・技術がなければ意味がありません。
また、デジカメの画質は驚くほど上がっていますし、スマートフォンで誰でも動画が撮影できるようになり、光ケーブルや無線技術の進歩による大容量高速通信も実現しています。
デジタル技術の進歩は驚くほど速いため、新製品の登場にユーザーが追い付けず、商品やサービスが氾濫している感もあります。つまり、デジタルデータの大きな可能性は、長所であり短所であるのかもしれません。
更新履歴
- 2008年7月25日
- ページを公開。
- 2009年3月1日
- ページをXHTML1.0とCSS2.1で、Web標準化。レイアウト変更。
- 2018年1月19日
- ページをSSL化によりHTTPSに対応。
- 2022年1月9日
- 内容修正。
参考文献・ウェブサイト
当ページの作成にあたり、以下の文献およびウェブサイトを参考にさせていただきました。
- デジタルとアナログ
- http://ar.aichi-u.ac.jp/lecture/infosys/digital/
- 宮崎技術研究所 データ伝送基礎講座 「1.1. データ伝送とは」
- http://my1.interlink.or.jp/~md0858/series3/denso011.html
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