ソフトウェアとは

便利で多機能なパソコンも、実際のところはただの機械であり計算機にすぎません。すべてのことを指示し、命令してやらなければ動かないのです。

しかし、技術の進歩によって、私たちは画面のアイコンやボタンをクリックしたり、キーボードをたたくだけで命令を出すことができるようになりました。

そして、その命令は、互いに連動するプログラムによって最終的な2進数に翻訳されて処理されていると学習しました。このように、パソコンとは無数のプログラムの集合体であるということができます。

さて、今度はプログラムについて別の切り口で考えてみましょう。

どこからどこまでがプログラムなのか

ということです。

例えば、「印刷」というプログラムがあるとします。パソコンは全ての動作について命令を与えなければならないので、ただ単に「印刷する」と命令を下すことはできません。

詳しいプログラミングの解説は割愛しますが、「AをBにセットする」とか「AをBに加算する」といった、非常に細かく詳細な命令が数多く集まることにより、最終的に「印刷する」などの日常的な処理を実現しているのです。

私たち一般ユーザーが考えるひとつのプログラムの中には、さらに詳細な命令が存在し、連動しているこということになります。

こうした「AをBに加算する」というような非常に小さな命令であってもプログラムには変わりありませんが、私たち一般ユーザーレベルでは現実的ではありません。

そこで、私たち一般ユーザーが考える最少の処理単位である「印刷」や「再生」などを「プログラム」と呼ぶこととすれば、その中の機械的な詳細な処理は「命令」と解釈しておくとわかりやすいと思います。

そう考えれば、

プログラムは詳細な命令の集合体

と解釈することができます。

なぜこのような解釈をしたかというと、プログラムもある程度のグループやカテゴリに区分することができるからです。

プログラムとは の項で、プログラムを人間の「細胞」に例えましたが、細胞もさらに細かい組織の集合体として成り立っていますし、頭や手といった機能に応じて分類することができます。それぞれの細胞がバラバラに散在しているわけではありません。

プログラムも同じです。

プログラムは相互に連動しています。しかし、パソコン内の全プログラムが連動しているわけではありません。ある目的や作業を完遂するために、それに必要なプログラムのみが連動するのです。

したがって、その目的に応じたプログラムのグループが形成されています。このような、

プログラムの集合体がソフトウェア

になるのです。

ソフトウェアとは、無数の詳細な命令が集まったプログラム同士が、さらに集まって形成された巨大なプログラム群なのです。

このソフトウェアが、私たちになじみ深いWordでありExcelです。ただの2進数がソフトウェアのかたちになって、それでようやく私たちが扱うことのできる状態になるのです。

なんとも気の遠くなるような話ですが、それもこれも超高速で2進数を計算処理できるパソコンと技術開発のおかげなのです。

さて、この「ソフトウェア」という用語は、おおまかな概念を表す言葉であり、その目的や役割によって異なった名称を用いるのが一般的です。

詳しくは、次項で解説しますが、

OS、アプリケーションソフト、デバイスドライバ、ミドルウェア、ファームウェア

に分類されます。

文書作成や表計算、ホームページ作成など、特定の目的のために作られたソフトウェアをアプリケーションソフトといいます。つまり、Wordや Excel、PowerPointなどはアプリケーションソフトになります。

一般的にソフトウェアとは、この「アプリケーションソフト」のことをいいます。単に「アプリケーション」ともいいますし、スマートフォンの「アプリ」も同様の意味で、何度も耳にしたことがある言葉だと思います。

このように「ソフトウェア」という言葉は、例えるなら「スポーツ」という言葉と同じです。その種類によって「野球」や「サッカー」という名称に分類されますが、全て「スポーツ」になります。

更新履歴

2008年7月9日
ページを公開。
2009年3月8日
ページをXHTML1.0とCSS2.1で、Web標準化。レイアウト変更。
2018年1月23日
ページをSSL化によりHTTPSに対応。
2022年1月9日
内容修正。

参考文献・ウェブサイト

当ページの作成にあたり、以下の文献およびウェブサイトを参考にさせていただきました。

文献
図解でわかる プログラムのすべて―動作メカニズムから開発技法まで